今回は初心者が知らないと危険なダイビングの簡単な8つのポイントを紹介します。ダイビングが初めての方、もしくは始めたばかりの初心者の方には必ず読んでもらいたい必見の内容です。
ダイビングが初めての方向けの「体験ダイビング」やダイビングライセンスを取得するための「オープンウォーター」のコースに参加する前に知っておけば安心してダイビングに参加できるようになります。
「体験ダイビング」に参加する方は前半の「ダイビングの呼吸方法」「ダイビングマスクの使い方」「ダイビングの耳抜き」「ハンドシグナル(水中サイン)」の4つのポイントを読んでおけば大丈夫です。
「オープンウォーター」のコースに参加する方やすでにダイビングライセンスを取得しているダイバーの方は後半の「器材セッテイング」「潜降の方法」「水中で浮きも沈みもしない中性浮力」「エア切れの対処方法」の4つのポイントまで読んで下さい。
目次
ダイビングは慣れるまでに時間が必要なスポーツです。慣れてきても期間が空いてしまうと忘れてしまいます。ダイビングの初心者の方はこの8つのポイントを覚えておけば危険な目に合う可能性を最大限になくすことができます。
レギュレーターの呼吸方法
通常、人間は鼻で呼吸をしていますが、ダイビングはレギュレーターと呼ばれる呼吸器を使用して口呼吸になります。マウスピースを加えて口から吸って口から吐きます。
しばらくは違和感を感じると思いますが、徐々に慣れていきます。吸うことに集中するよりも、しっかりと強く吐くことに集中するほうが楽になります。強く吐くことによって新鮮な空気を取りこむようにして下さい。
又、ダイビング中に呼吸を止めて浅い水深に移動してしまうと肺の中の空気が膨らんで肺の過膨張障害を引き起こしてしまう危険性があります。ダイビング中は呼吸を止めないようにしましょう。
ダイビング中にレギュレーターが口から外れてしまうとレギュレーターに海水が入ってしまいます。レギュレーターをくわえて、強く息を吐くことによって海水を簡単に排気することができます。
又、吐く息がない時は落ち着いてレギュレーターの空気が出てくる穴を舌で塞ぎます。そして、前面の中央にあるパージボタンを2秒~3秒ほど押して海水を排出することができます。
そして、レギュレーターが手からも離れてしまった場合は落ち着いて、右肩をしっかりと落として、右手で右の太ももを触り、おしりを触り、タンクの底から大きく手を回すと引っかかってきます。
レギュレーターの海水をクリアする方法を「レギュレータークリア」、レギュレーターを探してからクリアする方法を「レギュレーターリカバリークリア」と言います。詳しくは以下の記事に紹介しています。
ダイビングマスクの使い方
ダイビングマスクはレンタルの場合、ダイビング前にストラップの長さを自分に合わせて調整するようにしましょう。水圧によって顔にフィットするのできつく締めつけ過ぎないようにして下さい。
装着する際は前髪が入らないように気を付けてください。前髪が挟まっていると海水が入ってきます。
ダイビングマスクに海水が入ってしまったら、ダイビングマスクの上部にあるフレームを自分の顔の方向に押しながら鼻から息を出すことによって海水をダイビングマスクの下から押し出すことができます。
コツは少し上を見ながら行うとダイビングマスクの下に溜まった海水まで綺麗に抜くことができます。ダイビングマスクに入ってしまった海水を抜く方法を「マスククリア」と言います。詳しくは以下の記事に紹介しています。
ダイビングの耳抜き
ダイビングの耳抜きの基本はマスクの上から鼻をつまんで鼻に息をそっと送り込みます。このとき注意するのは鼻の穴から息が漏れないようにしっかりつまむことです。女性の方でつまみにくい場合は下から鼻の穴を塞いでも良いです。
鼻に息を送り込むときはハミング(鼻歌)のように優しく長く行います。強く、短く息を送り込むと抜けにくいだけではなく、鼓膜にも負担をかけてしまいます。
他にも耳抜きのやり方はさまざまあり、鼻をつまんで唾を飲み込んだり、あごを動かしたりして抜ける方もいます。自分の中でやりやすいやり方が見つかるまで、いろいろな方法で試してみましょう。
耳抜きは、耳抜きを行うタイミングがとても大事です。浅いところから痛くなくても早めにやることです。水面から水深5Mまでぐらいまでは呼吸を整えながらで良いので、なるべく多く、こまめにやりましょう。
潜降用のロープがある場合はロープをしっかりと使い、水深をコントロールするようにしましょう。
もし耳が抜けない場合はその水深から少し浅いところにもどると、耳抜きがしやすくなります。無理して同じ水深で何度もやらないで、少し浅いところに戻ったほうが鼓膜の負担が少ないです。
又、水深に変化がない時、もしくは水深が浅くなる時は耳抜きの必要はありません。水深が深くなるときに耳抜きを行います。水深が深くなるにつれて耳抜きの回数は少なくて大丈夫です。
ハンドシグナル(水中サイン)
ダイビングでは、陸上のように会話をしてコミュニケーションを取ることができません。水中では手を使用したハンドシグナルでコミュニケーションを取ります。ハンドシグナルを覚えていないと緊急時などに対応が遅れる場合があります。ハンドシグナルの中には覚えないと危ないハンドシグナルも多数あります。
又、地域や教育機関によってハンドシグナルに違いがある場合があります。はじめて潜るダイビングショップの場合は事前に確認してからダイビングを楽しむようにして下さい。以下に良く使用する主なハンドシグナル(水中サイン)を紹介します。











詳細 : 覚えないと危ない!ダイビングのハンドシグナル(水中サイン)
器材セッティング
オープンウォーターのコースではBCDとレギュレーターの器材セッティングは必須で学習します。しかし、その後のファンダイビングでは器材セッティングができないダイバーが多いのが現状です。
動画の内容では、ライセンス取得後に忘れやすいBCDとレギュレーターの器材セッティングの正しい手順を説明します。
器材のセッティングは正しくやらないと自分の命にかかわる大事な準備です。ダイビングショップ任せではなく、自分でしっかり確認しましょう。器材セッティングの詳細は以下の記事にも紹介しています。
水面から水底に降りる潜降の方法
ダイビングでは開始時に水面から水底に向かって降りることを潜降と言います。潜降はオープンウォーターのコースやファンダイビングで苦手な初心者の方がとても多いです。
潜降はロープを使用したロープ潜降とロープを使用しないフリー潜降の2つのパターンがあります。初心者の方はロープ潜降の方が安全です。ロープ潜降ではロープにつかまりながら潜降できるので深度コントロールがしやすいです。
潜降の方法は、水面でBCDの空気を抜きます。この時に体が横になっているとBCD(浮力調整具)の背面や下の方に空気が溜まっているため最後まで抜くことができません。身体をしっかりと起こして縦にしてから排気ボタンを押します。
BCD(浮力調整具)の排気ボタンは左肩のインフレーターホース(ジャバラホース)の先端についています。インフレーターホースは曲がっていると空気の抜け道を塞いでしまうため、まっすぐ上に向かって伸ばして下さい。
BCD(浮力調整具)の空気を抜くために重要なのは、BCD(浮力調整具)のどこに空気が残っているのかイメージすることです。
BCD(浮力調整具)の空気を抜いたら、息を吐き続けて身体が沈むのを待ちます。そして、身体が沈み始めたら前傾姿勢もしくはうつ伏せになるようにして下さい。身体を起こしたままの姿勢だと背中のタンクの重さでバランスを崩して、仰向けの状態で潜降してしまう可能性があります。
水中で浮きも沈みもしない「中性浮力」
ダイビングでは、浮輪や船のように水に浮く物体を「プラス浮力」、岩や鉄のように水に沈む物体を「マイナス浮力」と言います。ダイバーは水中で浮きも沈みもしない「中性浮力」で泳ぎます。
中性浮力が上手にならないと水底の珊瑚や魚の住処を破壊してしまう危険性があります。砂を巻き上げてしまい、周囲のダイバーに迷惑をかけてしまうかもしれません。
パワーインフレーターのインフレーター(給気)ボタンは水中では短くボタンを押します。実際に身体が浮いてくるのを感じるまでにタイムラグが数秒あります。あわてないで、確認しながらゆっくりと空気を足していきます。
給気する量は深度ごとに変化します。深くなればなるほどBCDには給気が必要です。
デフレーター(排気)ボタンは自動ではなく、押すことにより排気口の弁が開き、空気の通り道ができます。一度、身体を起こして、直立させてから、インフレーターホースを水面方向に真っすぐにして排気ボタンを押します。
潜降の時と同じく、排気するために重要なのはBCDの空気の位置をイメージすることです。インフレーターホースの根本は左肩にあるので、身体を起こして左肩を少し上げると更に抜けやすくなります。
中性浮力の微調整には肺の空気を使います。たくさん息を吸って肺に空気を溜めると2秒~3秒ぐらいのタイムラグがあり身体が浮いてきます。たくさん吐いて肺の空気を空にすると2秒~3秒ぐらいのタイムラグがあり身体が沈みます。
毎回、インストラクターやガイドと水深を合わせるようにして中性浮力の練習をしましょう。中性浮力について詳細は以下の記事に紹介してしています。
エア切れの対処方法
エアが切れてしまった場合、バディやインストラクターが近くにいれば予備の空気源(オクトパス)をもらい浮上するのが最も確実な方法です。バディとは離れないようにしましょう。
まずはバディにエア切れのハンドシグナルを送りましょう。予備の空気源(オクトパス)をもらう時にはレギュレータークリアを忘れずにするようにしましょう。お互いが離れてしまわないように右腕同士で腕をホールドします。
このとき、左手は浮上スピードをコントロールできるようにインフレーターの排気ボタンに指をかけておきます。周囲に注意をしてゆっくりゆっくりフィンキックで浮上しましょう。
しかし、気が付いたらバディやインストラクターがすぐ近くにいない場合もあります。その場合は自分一人で行う緊急スイミングセントを行います。水深6Mから9M以内の浅い水深で行うことが可能な緊急時の浮上の仕方です。
危険なものがないか確認するため右手は高く上にあげます。左手はインフレーターの排気ボタンに指をかけ、いつでも空気を抜けるようにします。これは浮上スピードをコントロールするためです。
気道を確保するために上を見上げ、減圧症や肺の過膨張障害を防ぐために「あー」と小さく声を出しながら、1分間に10Mを越えない速度でゆっくりゆっくりフィンキックをしながら浮上します。
ダイビングの簡単な8つのポイント まとめ
今回は初心者が知らないと危険なダイビングの簡単な8つのポイントを紹介しました。ダイビングが初めての方、もしくは始めたばかりの初心者の方には必ず読んでもらいたい必見の内容です。
ダイビングはレギュレーターと呼ばれる呼吸器を使用して口呼吸になります。しばらくは違和感を感じると思いますが、徐々に慣れていきます。吸うことに集中するよりも、しっかりと強く吐くことに集中するほうが楽になります。
ダイビングマスクに海水が入ってしまったら、ダイビングマスクの上部にあるフレームを自分の顔の方向に押しながら鼻から息を出すことによって海水をダイビングマスクの下から押し出すことができます。
ダイビングの耳抜きの基本はマスクの上から鼻をつまんで鼻に息をそっと送り込みます。このとき注意するのは鼻の穴から息が漏れないようにしっかりつまむことです。女性の方でつまみにくい場合は下から鼻の穴を塞いでも良いです。
水中では手を使用したハンドシグナルでコミュニケーションを取ります。はじめて潜るダイビングショップの場合は事前に確認してからダイビングを楽しむようにして下さい。
BCDとレギュレーターの器材のセッティングは正しくやらないと自分の命にかかわる大事な準備です。ダイビングショップ任せではなく、自分でしっかり確認しましょう。
潜降の方法は、水面でBCDの空気を抜きます。この時に体が横になっているとBCD(浮力調整具)の背面や下の方に空気が溜まっているため最後まで抜くことができません。身体をしっかりと起こして縦にしてから排気ボタンを押します。
中性浮力の微調整には肺の空気を使います。たくさん息を吸って肺に空気を溜めると2秒~3秒ぐらいのタイムラグがあり身体が浮いてきます。たくさん吐いて肺の空気を空にすると2秒~3秒ぐらいのタイムラグがあり身体が沈みます。
エアが切れてしまった場合、バディやインストラクターが近くにいれば予備の空気源(オクトパス)をもらい浮上するのが最も確実な方法です。バディとは離れないようにしましょう。
ダイビングは慣れるまでに時間が必要なスポーツです。慣れてきても期間が空いてしまうと忘れてしまいます。ダイビングの初心者の方はこの8つのポイントを覚えておけば危険な目に合う可能性を最大限になくすことができます。
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