
写真 : 北海道の支笏湖の流木
今回はサーモクライン(水温躍層)について分かりやすく徹底解説します。ダイバーの方は「サーモクライン」という言葉を聞いたことがあると思います。オープンウォーターの教本(マニュアル)でも紹介されています。
ほとんどの環境で深くなればなるほど水温は下がります。水は水温ごとに層を形成する傾向があります。サーモクライン(水温躍層)とは温かい上の層と冷たい下の層の間の境目を言います。
記事の内容は「サーモクライン(水温躍層)とは?」、「サーモクライン(水温躍層)の注意事項と対処法」、「ハロクラインとケモクラインとピクノクライン」、「サーモクライン(水温躍層)のまとめ」に分けて紹介します。
ダイバーにとってサーモクライン(水温躍層)について学ぶことはとても重要です。サーモクライン(水温躍層)の知識がないと知らないうちにハイポサーミア(低体温症)になってしまうかもしれません。
この記事を読むことによって、サーモクライン(水温躍層)について理解して、さらに安全にダイビングを楽しむことができます。
サーモクライン(水温躍層)とは?
画像元 : NOAA(アメリカ海洋大気庁)
ほとんどの環境で深くなればなるほど水温は下がります。水は水温ごとに層を形成する傾向があります。サーモクラインとは温かい上の層と冷たい下の層の間の境目を言います。
サーモクラインは英語ではThermoclineと表記します。日本語では水温躍層と言います。
水は氷点に近づくまで普通の液体と同じようにふるまうため、液体の状態では温度が下がると密度が高くなります。水は密度の異なる層を形成し、密度の高い層は低い層より下になります。
深い場所のほうが浅い場所より普通は冷たいのはこのためです。密度に従って水の層が形成されるのを「密度成層」と言います。ある層からその下にある層へ潜降すると、水温が急激に低下することがよくあります。
水温の異なる層の間にある変わり目のことを「サーモクライン」と言います。内陸の湖や採石場跡では18Mほど降りるだけで、はっきりと分かれた水温と密度の層が複数あることはよくあります。
サーモクライン(水温躍層)は境目が非常にはっきりしているため、穏やかで温かい水の中を泳いでいて、手を下に下げたら冷たい水に触れたというようなこともあります。
動画 : ラフィンダイビングスクール
サーモクライン(水温躍層)の注意事項と対処法

サーモクライン(水温躍層)の上下の水温差は8℃~11℃になります。暑い日にアスファルトや飛行場の滑走路から立ち上る陽炎のように、サーモクラインの部分が歪んで見えることもあります。これは2つの温度層が混ざることによって起こる現象です。
浅い水深でダイビングしていて水温を確認していてもサーモクラインによって急激に水温が下がる場合があります。知らないうちにハイポサーミア(低体温症)になってしまうかもしれません。
ハイポサーミアは体温が平熱よりも低くなり、一般的には35℃以下に低下した状態を指します。ハイポサーミアの症状は震えが止まらなくなり、重症の場合は身体が正常に機能しなくなり、意識障害を起こします。最悪の場合は死に至ることもあります。
ハイポサーミア(低体温症)の症状を感じた場合は水深を上げて浅い場所に移動するようにしましょう。サーモクラインは洞窟などの特殊な環境を除き、上の層へ浮上すると水温は高くなります。症状が改善しない場合はダイビングは中止して水から上がり、陸上で体を温めるようにしましょう。
ダイビングを計画するときは予定している最大水深の水温に合わせてウェットスーツなどの保護スーツを選ぶようにしましょう。
ハロクラインとケモクラインとピクノクライン

ダイビングではサーモクラインだけではなく、水質が急激に変化するさまざまな層の境目があります。通常は水平方向の薄い層で、その上下で水の特性が大きく変化することを躍層(やくそう)、又は変水層(へんすいそう)と言います。
英語ではcline(クライン)と言います。層の境目には「サーモクライン(水温躍層)」、「ハロクライン(塩分躍層)」、「ケモクライン(化学躍層)」、「ピクノクライン(密度躍層)」などの躍層があります。
ハロクライン(halocline)・塩分躍層
溶け込んだ塩は水の密度を上げ、密度成層(密度の異なる水の層)が形成されます。淡水と海水の層の変わり目を言います。大雨のあとの水面付近や、水中から水が湧き出る場所、河口付近など、塩分濃度の異なる水が接している場所に発生します。
ケモクライン(chemocline)・化学躍層
水質が異なる(塩分濃度や化学成分が違う)水が混ざり合わずに層をなしている状態を言います。化学成分の違いが主な原因です。ほとんどは海水中の硫化水素量による層の事を指します。ケモクラインの中の一種がハロクラインになります。
ピクノクライン(pycnocline)・密度躍層
水深による海水の密度が急激に変化する層のことを言います。この層は水温や塩分濃度の違いによって形成され、サーモクライン(水温躍層)やハロクライン(塩分躍層)なども、密度が急変するピクノクラインの一種です。
サーモクライン(水温躍層)のまとめ

今回はサーモクライン(水温躍層)について分かりやすく徹底解説しました。
ほとんどの環境で深くなればなるほど水温は下がります。水は水温ごとに層を形成する傾向があります。サーモクラインとは温かい上の層と冷たい下の層の間の境目を言います。
サーモクラインは英語ではThermoclineと表記します。日本語では水温躍層と言います。サーモクライン(水温躍層)の上下の水温差は8℃~11℃になります。サーモクラインは洞窟などの特殊な環境を除き、上の層へ浮上すると水温は高くなります。
ダイビングを計画するときは予定している最大水深の水温に合わせてウェットスーツなどの保護スーツを選ぶようにしましょう。

ダイビングではサーモクラインだけではなく、水質が急激に変化するさまざまな層の境目があります。層の境目には「ハロクライン(塩分躍層)」、「ケモクライン(化学躍層)」、「ピクノクライン(密度躍層)」などがあります。
ダイバーにとってサーモクライン(水温躍層)について学ぶことはとても重要です。サーモクライン(水温躍層)の知識がないと知らないうちにハイポサーミア(低体温症)になってしまうかもしれません。
この記事を読むことによって、サーモクライン(水温躍層)について理解して、さらに安全にダイビングを楽しむことができます。
#サーモクライン #水温躍層




