写真:エモンズの副砲40mm連装機関砲。崩壊前の2017年撮影。
日本国内最大の沈没船、エモンズ(USS Emmons)は沖縄本島北部にある屋我地島の北に位置する古宇利島に沈んでいます。
2000年の9月に沖縄古宇利島の北側の海底から時々浮いてくる油があることから、地元の漁師さんの通報により、第十一管区海上保安本部の調査がはじまり、海底に沈んでいる沈没船が発見されました。同年12月、地元のダイビングインストラクターの調査により、その沈没船が米軍の駆逐艦で第二次世界大戦で沈んだエモンズ(USS Emmons)と判明しました。
USS Emmons・エモンズ [緯度:26度43分28.448秒] [経度:128度01分46.524秒] [水深:40M]
エモンズ (USS Emmons. DD-457/DMS-22) は、アメリカ海軍の駆逐艦。グリーブス級駆逐艦の1隻。艦名はジョージ・F・エモンズ海軍少将(1811年 – 1884年)に因む。エモンズは第二次世界大戦末期の1945年4月6日、レーダーピケット任務に従事し、ロッドマン (USS Rodman, DMS-21) と共に航行中、大規模に展開された日本軍・神風特攻隊の攻撃に際して標的とされました。
最初の1機がロッドマンを攻撃し、エモンズは損傷したロッドマンを護衛するため対空砲撃を行います。しかし、2隻の掃海艦は特攻機の攻撃に圧倒され、エモンズは5機によってほぼ同時に攻撃を受けてしまいます。1機が3番砲塔の喫水線付近に突入し、弾薬庫に引火、大爆発を起こし、左舷船尾と戦闘情報センターが炎上しました。乗組員は必死に格闘したが、エモンズは復元能力を失い、翌4月7日、敵の手に渡ることを避けるため、乗組員の救助後に米軍自らの手によってに沈められました。
写真:旧日本軍の特攻機「九八式直接協同偵察機」
この戦闘でエモンズの乗組員60名が戦死し、77名が負傷しました。エモンズは第二次世界大戦の戦功で海軍殊勲部隊章に加えて4個の従軍星章を受章しています。旧日本軍・神風特攻隊の攻撃によって特攻機の乗組員も戦死しています。
エモンズについて詳しくは、以下のサイトもぜひご覧下さい。
USS EMMONS(エモンズ)船体図
エモンズ (USS EMMONS DD-457)の画像ファイルはこちら
エモンズ (USS EMMONS DD-457)の3D画像ファイルはこちら
エモンズ・USS Emmonsの概要について
エモンズ (USS Emmons, DD-457/DMS-22) は、アメリカ海軍の駆逐艦。グリーブス級駆逐艦の1隻。艦名はジョージ・F・エモンズ海軍少将(1811年 – 1884年)に由来する。
正式名称 | エモンズ (USS Emmons, DD-457/DMS-22) |
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起工 | 1940年11月14日 |
排水量 | 2,050トン |
全長 | 106.2 m |
全幅 | 11.0 m |
最大速 | 35ノット (65 km/h) |
乗員 | 208名(戦時276名) |
兵装 | 38口径5インチ砲4門 12.7mm機銃6基 21インチ魚雷発射管10門 20mm機銃6基 爆雷投射機6基 爆雷軌条2軌 |
エモンズの撮影方法とポイント
写真: 船首からの全体を撮影する全景
USSエモンズの全長は約106Mになります。潮通しが良いことも多く、透明度は20M~30Mほどのコンディションが多いです。コンパクトデジタルカメラの方はワイドコンバーションレンズ、フイッシュアイなどがおすすめです。一眼レフの方も広角レンズもしくはフイッシュアイがおすすめです。当サイトのエモンズの写真は主にSIGMAの15mm FISHEYE、Tokinaの10-17mm(魚眼ズームレンズ)を利用しています。予算にあわせて、なるべく広角のものを用意するのがおすすめです。広角レンズは自分のフィンやストロボ、アームなどが写真に入ってしまわないように気をつけましょう。
又、ストロボや水中ライトを使用して撮影すると沈没船の特有の色が伝わりやすくなります。当サイトの撮影では水中ライトのRGBlue(アールジーブルー)を使用している写真も多くあります。
写真: エモンズの中央のロープにつかまったワイド撮影
エモンズの撮影ポイントは、船の船首から順に①船首からの全体を撮影する全景(船首)、②巨大な主砲の38口径5インチ砲(船首) 、③内部通路の扉、④Mk.37 砲射撃指揮装置(中央)、⑤ブローニングM2重機関銃(中央)、⑥中央のメモリアルプレート⑦副砲40mm連装機関砲(船尾)、⑧爆雷(対潜機雷)と魚雷(船尾)、⑨日本の特攻機が突撃したと思われるエモンズ船体の破損箇所(船尾)、⑩スクリュー・プロペラ(船尾)、その他にも、旧日本軍の特攻機「九八式直接協同偵察機」もおすすめです。
エモンズではほとんどが広角の撮影になります。又、USSエモンズの巨体にあわせてダイバーにモデルになってもらうと全体の大きさがわかりやすくなります。エモンズでは、水深が深いため、1ダイブの撮影時間はとても短くなります。船首と中央と船尾の3箇所にロープがあり、1日2ダイブのスタイルでダイビングします。何度か潜り、構図をイメージして潜る必要があります。
エモンズの動画撮影
エモンズの動画撮影もワイドな画角がおすすめです。広角レンズ、ワイドコンバーションレンズ、フイッシュアイなどがおすすめです。当サイトのエモンズの動画は主にSIGMAの15mm FISHEYE、Tokinaの10-17mm(魚眼ズームレンズ)を利用しています。Goproの撮影もおすすめです。予算にあわせて、なるべく広角のものを用意するのがおすすめです。広角レンズは自分のフィンやストロボ、アームなどが写真に入ってしまわないように気をつけましょう。
又、動画撮影では、水中ライトを使用して撮影すると沈没船の特有の色が伝わりやすくなります。当サイトの撮影では水中ライトのRGBlue(アールジーブルー)を使用している写真も多くあります。
旧日本軍の特攻機「九八式直接協同偵察機」
現在、エモンズの船尾付近に旧日本軍の特攻機のエンジン・プロペラ、ランデイングギア、主翼構造材が残っています。エンジン発動機は型式が日立のハ13甲型と考えられ、空冷単列星形9気筒、取り付けられているプロペラは2枚羽根式、エモンズ突入時には高速で回転していたため、両端が共に同じく内側に折れ曲がっているのが確認できます。
この1945年の当時に現役で飛行していた大日本帝国軍用機は種類が少なく、たいていは3枚住友ハミルトンが取り付けられていました。旧日本軍の沖縄方面への出撃記録から1945年4月6日に陸軍新田原飛行場を出撃した特別攻撃隊の記録を確認できます。
当時、日本軍・神風特攻隊の攻撃が起こった伊江島沖から、現在のエモンズが沈んでいる古宇利島の付近には、まだ複数の日本軍の特攻機が沈んでいる可能性があります。
近藤正義氏(No Limit代表)により、エモンズに突入したと思われる日本軍の特攻機の機種と部隊名が解明され、国内の新聞でも大きく取り上げられました。
「眠る特攻機 水深45メートルに65年」 抜粋:平成22年8月15日 日曜日 朝日新聞
第二次世界大戦末期、沖縄近海で旧日本軍の特攻作戦により沈没した米海軍掃海艇エモンズの近くで見つかった飛行機の一部が、旧陸軍の特攻機である可能性が非常に高いことが分かった。
沖縄在住の「テクニカルダイビングチーム No Limit」のメンバーが調査し、中国北京の博物館に展示されている「九八式直接協同偵察機」の機体と比較した結果、①計器盤の形状と大きさ②固定脚の形状と大きさ③固定脚のカバーの形状④プロペラの枚数などが一致した。
エモンズは1945年4月6日、特攻機5機に突入され爆発炎上。今帰仁(なきじん)村の古宇利(こうり)島沖で米軍によって海底に沈められた。今回確認された九八式はエモンズと共に水深45メートルの海底に散らばっていた。同日の旧陸軍の特攻作戦「第一次航空総攻撃」では、新田原陸軍飛行場(宮崎県)から26機の九八式が出撃されたとされている。
テクニカルダイビング
当ショップでは、日本国内では数少ない、テクニカルダイビングのライセンスコースを提供しています。当ショップは世界最大のテクニカルダイビング指導団体TDIのライセンスが発行可能です。沈没船のレックダイビングや水深40Mを超えた潜水、減圧ダイビングなどに興味がある方におすすめです。
エモンズ・USS Emmonsのダイビングポイントでテクニカルダイビングを楽しみたい方は当ショップまでお問合せ下さい。
エモンズの沈没船は、これから長い年月をかけて原形が崩れ、朽ちていきます。第二次世界大戦の時代の沈没船を見ることができるのは、いまの時代に生きるダイバー達だけになります。お一人様でエモンズのダイビングに参加したいお客様もシングルチャージで別途10000円にてご案内が可能です。じっくりと写真撮影をしたい方にもおすすめです。是非、ご相談ください。
– 以下に、今回の記事の参考サイトを記載します。 –
エモンズ 沖縄の沈没船・レックダイビング
エモンズ(USS EMMONS)の沈没船・徹底検証
米軍駆逐艦 USSエモンズ・沖縄の沈没船
沖縄太平洋戦争の沈没船【エモンズ・米軍駆逐艦】
エモンズ(USS Emmons)へは当ショップのファンダイビングで「太平洋戦争の沈没船 USSエモンズ」のメニューでリクエスト可能です。是非リクエストお待ちしております。
最終更新 : 2021年10月26日