写真:辺戸岬ドームのエアードーム
辺戸岬は、沖縄本島の那覇市内から約120kmの最北端に位置します。太平洋及び東シナ海に面する岬になります。好天の日は、22km離れた奄美群島の与論島や沖永良部島を望むことができます。辺戸岬には、「辺戸岬ドーム」、「辺戸岬キャニオン」、「二神岩」、「茅打ちバンタ」などのポイントがあり、すべてドリフトダイビングのスタイルになります。
辺戸岬のダイビングスポットは、未開拓でダイバーが少なく、ロマンと謎に溢れるポイントばかりです。透明度は40Mを超える日も多いです。陸上から見える断崖絶壁が水中まで続き、ダイナミックで地形的なポイントが多いです。
写真: 辺戸岬からの絶景
辺戸岬ドームは、正式には「宜名真海底鍾乳洞」と呼ばれる海底洞窟のダイビングスポットになります。港から10分ほどで到着します。昔から有名な辺戸岬ドームの海底鍾乳洞は約2万年前の旧石器の遺跡が発見され、かつては陸上だったことが学会で発表された貴重な場所でもあります。
発見当時は琉球新報の記事にも大きく掲載されました。洞窟内の壁が黒く変色した部分は旧石器時代の人達が火を使ったときの煤(すす)の痕跡ではないかと考えられています。又、発見当初から鍾乳石が人為的に折られた部分が発見されています。もしかしたら、旧石器人が生活のために折った跡なのかもしれません。
写真:シルトの部屋(海底からそびえ立つ鍾乳石)
宜名真漁港から船で辺戸岬の断崖絶壁にまわり、エントリーします。ドリフトダイビングのスタイルで船は固定しないので中級者向けのダイビングスポットになります。壁づたいに北の方向へ向かうと水深15Mほどに辺戸岬ドームの入り口があります。入り口付近は釣り人が釣り糸を垂らしているので注意が必要です。
入り口から進むと巨大な広場があり、暗闇のなかはさらに奥へいくつかの道に分かれています。明るいライト、バックアップのライトが必要です。途中からどんどん上へ向かって行き深度が浅くなり、海水と淡水が交じり貴重なケモクラインを体験できます。さらに進むと浮上できるエアードームが出現します。
写真:エアードーム内
エアードームは直経約8M、高さ10Mほどでドーム状になった壁には巨大な鍾乳石が広がり、まるでタイムスリップしたかのように異次元の世界を感じることができます。エアードームのなかは空気があり、レギュレーターを外すことができます。温度は年間を通じて変化は少なく、冬の水温より暖かいです。
巨大な鍾乳石の輝きは見事な造形美を作り出していて、何度入っても神秘的な場所です。エアードーム内では現在も鍾乳石が成長しています。貝塚が見られたり、水中では育つことのない鍾乳石が海底からそびえ立っていたり、2万年前は陸上だったことが想像できます。ドーム内では新種のコオロギも発見されています。
辺戸岬ドームは貴重な鍾乳石を傷つけないように中性浮力や周囲への注意をできるようになってから、行ってほしいボイントになります。水底の砂や泥を巻き上げないようにフィンキックする技術も必要になります。シルト(泥)の部屋と呼ばれる空間では水中ライトを持っていても、一度濁らせてしまうと何も見えなくなり、方向感覚を失ってしまいます。ケーブダイビングの知識や経験を持っていることが望ましいです。
写真:エアードームへの道
辺戸岬ドーム「宜名真海底鍾乳洞」へは当ショップのファンダイビングで「辺戸岬ドーム・宜名真鍾乳洞 ファンダイビング」のメニューでリクエスト可能です。是非リクエストお待ちしております。
当ショップのファンダイビングは全て完全少人数制なので初めての方も安心してお越しください。一人旅や経験の少ないビギナーの方がメインのコースです。(参考サイト: 辺戸岬ダイビング 辺戸岬ドーム・鍾乳洞)