ダイビングを1度でも経験したことがあれば、インストラクターからダイビング中は息を止めてはいけないと説明を受けていると思います。ダイビングでは最も重要なルールとしてさまざまな教本(マニュアル)で記載されています。
今回は、これからダイビングを始めてみたい方やすでにダイバーの方に「なぜダイビング中は息を止めてはいけないのか?」、「ボイルの法則」、「肺の過膨張障害(肺の破裂)」、「肺の過膨張障害(肺の破裂)の手当」について詳しく解説します。ダイバーの方が安全にダイビングを楽しむ手助けになればと思います。
当ショップではダイビングライセンスを取得してから期間(ブランク)が空いて不安なダイバーや経験が少ない初心者の方などダイビングに自信がない方も安心してファンダイビングが楽しめるようにリフレッシュダイビングのコースをご用意しています。
又、以前に受講したオープンウォーターのライセンスコースを復習したい、器材セッティング、レギュレータークリア、マスククリア、中性浮力などの基本的な練習を復習したいダイバーも歓迎です。
なぜダイビング中は息を止めてはいけないのか?
ダイビング中は肺の中の空気も圧力の影響を受けることになります。浮上するときに圧力が減少すると、空気は膨張して体内空間に空気の体積が増えることになります。耳やマスク、サイナス(副鼻腔)は空気が自然に出ていくため気にする必要はありません。
ダイビング器材は周囲と同じ圧力で空気を供給するため、肺はダイビング中も陸上にいるときと同じ体積を保つことができます。ダイバーが浮上すると肺の中の空気は膨張します。
普通に呼吸していれば息を吐くたびに膨張する空気は外に出ていくので肺は通常の体積を保ちます。
膨張する空気は重大な「肺の過膨張障害(肺の破裂)」を引き起こします。教本(マニュアル)では、ダイビング中は常に呼吸を続け、絶対に息を止めないというのがダイビングで最も重要なルールとして記載されています。
シリンダー(タンク)の空気の節約のためのスキップ呼吸なども、とても危険です。ダイビング中は一定のリズムで大きくゆっくりと深呼吸するように呼吸を続けて下さい。
ボイルの法則
ボイルの法則は、一定の温度の下での気体の体積が圧力に反比例することを表す法則です。ボイルの法則では体積と圧力が反比例するため、圧力が2倍になると、体積が半分になります。例えば、水面上でコップ1杯の空気は、水深10Mでは1/2に水深20Mでは1/3に水深30Mでは1/4になります。
水深10Mで肺いっぱいに息を吸い、息を止めて浮上すると水面での肺の空気は2倍になるため、肺が破裂してしまいます。
肺の過膨張障害(肺の破裂)
画像元 :「おしえて先生!」
肺の過膨張障害(肺の破裂)は、主に以下の3つに分かれた障害を起こして、胸部の苦しさや、口から血の混じった唾を出したり、重症の場合は意識を失い、死に至ります。
- 空気塞栓症(エアー・エンボリズム)
- 自然気胸
- 縦隔気腫
息を止めて浮上すると肺の中の空気が膨張して、肺胞が破れてしまいます。空気は破壊された毛細血管から血液に流れ込み、気泡が血流を止め、ダイバーを窒息状態にしてしまいます。
破れた肺胞が胸腔と通じると、そこから胸腔に空気が流れ込み、肺は肺自体の弾性で縮んでしまい空気を吸い込む機能が失われてしまいます。症状は胸痛や呼吸困難になります。肺の機能を大きく損ない、死に至る場合もあります。
胸腔の中央にある縦隔に空気が流れ込み気腫を形成すると心臓や食堂を圧迫する障害を起こします。皮下気腫の一種で、胸部の中央にある左右の肺に挟まれた縦隔に漏れた空気がたまる状態をいいます。
肺の過膨張障害(肺の破裂)の手当
写真元 : 知らないと怖い減圧症(潜水病)の知識と予防方法
肺の過膨張障害(肺の破裂)は治療が難しく、血流や胸腔に空気が押し込まれることによってマヒが生じて場合によっては死に至ります。治療方法は一刻でも早く医療機関と連携して、再圧チャンバーで再圧して圧力を受けている状態に戻す必要がありますが、ほどんどの場合がダイビングしている場所から再圧チャンバーが離れている場合が多いです。
肺の過膨張障害(肺の破裂)のまとめ
ダイビングを1度でも経験したことがあれば、インストラクターからダイビング中は息を止めてはいけないと説明を受けていると思います。ダイビングでは最も重要なルールとしてさまざまな教本(マニュアル)で記載されています。
ダイバーが浮上すると肺の中の空気は膨張します。普通に呼吸していれば息を吐くたびに膨張する空気は外に出ていくので肺は通常の体積を保ちます。浮上中に息を止めてしまうと膨張した空気の逃げ場がなくなってしまい、肺が膨らんでしまいます。
肺の過膨張障害(肺の破裂)は、空気塞栓症(エアー・エンボリズム)、自然気胸、縦隔気腫の3つに分かれた障害を起こして、胸部の苦しさや、口から血の混じった唾を出したり、重症の場合は意識を失い、死に至ります。
肺の過膨張障害(肺の破裂)の治療方法は一刻でも早く医療機関と連携して、再圧チャンバーで再圧して圧力を受けている状態に戻す必要がありますが、ほどんどの場合がダイビングしている場所から再圧チャンバーが離れている場合が多いです。
ダイビングライセンスを取得してから期間(ブランク)が空いてる場合は知識的な面も忘れている場合があります。ブランクが長い場合はリフレッシュダイビングのコースを受講するようにして下さい。
オープンウォーターのライセンスコースの復習、器材セッティング、レギュレータークリア、マスククリア、中性浮力などの基本的な技術を復習することができます。