ダイビングライセンスを取得してダイバーになるとディープダイビングに興味が出てくるダイバーもいます。オープンウォーターを取得して、水深18Mまで、アドバンスを取得して水深30Mまでのダイビングが可能になります。
その後、インストラクターとトレーニングを積むと最大水深40Mまでのダイビングが可能になります。
水深40Mに沈む沈没船を見てみたい、水深30Mを超える水中洞窟を探検してみたい、深場の珍しい生物を鑑賞したいなどディープダイビングに興味が出る理由はさまざまです。
今回はディープダイビングで知らないと怖い注意事項を「空気の消費率と密度」、「減圧症のリスク」、「窒素酔い(ガス昏睡)」、「中性浮力の変化」の4つに分けて解説します。
記事の後半にはディープダイビングを安全に行うための「ディープダイビング・スペシャルティ(SP)」についても記載します。
ディープダイビングに興味がある方が安全に楽しむための手助けになれば嬉しいです。
空気の消費率と密度
ボイルの法則は、一定の温度の下での気体の体積が圧力に反比例することを表す法則です。ボイルの法則では体積と圧力が反比例するため、圧力が2倍になると、体積が半分になります。例えば、水面上でコップ1杯の空気は、水深10Mでは1/2に水深20Mでは1/3に水深30Mでは1/4になります。
ダイビング器材は周囲と同じ圧力で空気を供給します。深くなれば深くなるほど、呼吸するたびにタンクから送られてくる空気の量が増えることになります。例えば水面の1時間で消費する空気量は水深30Mでは1/4の15分で消費することになります。
ディープダイビングでは浅い水深でのダイビングよりも何倍もの空気量を消費します。事前にしっかりと計画を立ててダイビングする必要があります。詳細は以下の記事に詳しく書いています。
そして空気の密度は深くなれば深くなるほど濃くなります。通常、密度の濃い空気を吸う場合は重たく、抵抗が強くなります。例えばマクドナルドのマックシェイクは密度の濃い飲み物のためストローで飲むと重たく抵抗があります。
同様のことがディープダイビングでは起こる場合があります。又、レギュレーターの種類によっては変化しない場合もあります。はじめてのディープダイビングの場合は特に気を付けて下さい。
ディープダイビングでは残圧計のチェックはこまめに行い、ゆっくりと動き呼吸を整えるようにして下さい。突然のトラブルなどを考えて小さくても良いのでバックアップのタンクを準備しておくと安心です。
減圧症のリスク
ディープダイビングでは減圧症のリスクが高くなります。ダイブコンピューターは必ず着けてダイビングしましょう。水深30Mを超えるとNDL(減圧不要限界)はあっという間に数分になります。余裕を持って深度を浅くするようにして下さい。安全停止も少し長めに行い、浮上スピードに気を付けて下さい。
NDL(減圧不要限界)を越えてしまった時のことも考えて、ダイブコンピューターの説明書をしっかりと確認しておきましょう。
減圧症の応急手当ではダイバーを寝かせて、酸素(100%)を与え、救急車を待ちます。ディープダイビングではもしもの時の事を考えて酸素(100%)は船の上やビーチに準備しておきましょう。減圧症については以下の記事にも詳しく書いています。
窒素酔い(ガス昏睡)について
ダイビングでは酸素や窒素を含めて、多くの気体は圧力を受けると中毒作用を持つようになります。これを窒素酔い(ガス昏睡)と呼びます。他には「窒素中毒」や「窒素ナルコシス」とも呼ばれます。
窒素酔い(ガス昏睡)は体内に溶け込んだ気体が増えた結果、脳と身体の間や脳内の様々な部分の間で交わされる情報のやり取りが遅くなると考えられています。
窒素酔い(ガス昏睡)の徴候と症状は次の通りです。一般的にお酒(アルコール)に軽く酔った症状に共通している事が多いです。
- 酔ったような感覚(高揚感)
- 幸福感(時に妄想症)
- 身体が思うように動かなくなる
- 思考力が低下する
- 反応が遅くなる
- 意味なく笑う
- 気分が落ち込む
- 気が大きくなって間違った安心感を持つ
- 安全に対する配慮を欠いた行動をとる
- 不安感、パニック(深度下でストレスを受けたとき)
窒素酔い(ガス昏睡)の影響を受けたダイバーは残圧の確認や、NDL(減圧不要限界)の管理のような重要な行動や判断能力を低下させます。窒素酔い(ガス昏睡)は、発症したダイバー自身が自分で気が付かないことが多いのも特徴です。
自分やバディの行動に悪影響が出ていると気が付いた場合はバディ同士もしくは、グループで浅い水深まで浮上します。少しの浮上でも症状は軽減されます。
減圧症(潜水病)とは異なり、窒素酔い(ガス昏睡)は発症した場合でも後遺症は残りません。また発症後、病院に行く必要はなく、医学的治療も必要ありません。浅い水深に戻ることによって簡単に回復することが可能です。
窒素酔い(ガス昏睡)について詳しくは以下の記事にも書いています。
中性浮力の変化について
ディープダイビングでは中性浮力も変化します。オープンウォーターで泳ぐ水深18M以下ではBCDの給気ボタンは短く押して入れ過ぎていないか確認します。長押しや連続では押さないようにします。
オープンウォーターの講習でもBCDに空気を入れて浮かんでしまった経験のある方がたくさんいると思います。
そしてダイビングの後半は深度が浅くなるにつれてBCDの排気が必要です。深い水深で給気した空気は浅い水深へ行くと膨張して膨らみます。ディープダイビングの場合、水深5Mの安全停止は必須になります。
深度が浅くなり空気が膨張して、安全停止する前に浮かんでしまわないようにBCDの空気はどんどん排気しましょう。
ディープダイビング・スペシャルティ(SP)
ダイバーはアドバンスウォーターを取得すると最大水深30mまでダイビングを楽しむことが可能になります。さらに、ディープダイビング・スペシャリティを取得することによって、最大水深40mまでダイビングを楽しむことができます。当ショップのディープダイビング・スペシャリティは2ダイブの経験を積み1日で取得できます。
水深30mを超える水中洞窟や沈没船のダイビングは誰でも安全に行ける場所ではありません。深く潜ることで増えるリスクや潜水計画の立て方を学び、安全にディープ・ダイビングを楽しむための方法を学びます。
ディープダイビング・スペシャリティのコースでは安全にディープ・ダイビングが実施できるように、空気の消費量や密度、減圧症、ダイブコンピューターのNDLやDECO表示の確認、浮力の調整、窒素中毒(ガス昏睡)への対処などを学びます。
水深40mはレクリエーションダイビングでいける最大の深度になってます。深い海は魅力的ですが、深度が深くなると、さまざまなリスクが大きくなります。ディープダイビングの経験を積み、リスクの対処を学びます。ディープダイビング・スペシャリティを取得するとダイビングの世界が広がります。
万が一の場合を考えて、バックアップのガスの準備や減圧症の応急手当のための酸素の取り扱いも学びます。当ショツプのディープダイビング・スペシャリティの詳細は以下のリンクからご予約が可能です。
ディープダイビング・スペシャルティ(SP)のご予約はこちらから
ディープダイビングの4つの注意事項 まとめ
ダイビングライセンスを取得してダイバーになるとディープダイビングに興味が出てくるダイバーもいます。オープンウォーターを取得して、水深18Mまで、アドバンスを取得して水深30Mまでのダイビングが可能になります。
ディープダイビングで知らないと怖い注意事項は「空気の消費率と密度」、「減圧症のリスク」、「窒素酔い(ガス昏睡)」、「中性浮力の変化」の4つになります。
「空気の消費率と密度」
ダイビング器材は周囲と同じ圧力で空気を供給します。深くなれば深くなるほど、呼吸するたびにタンクから送られてくる空気の量が増えることになります。ディープダイビングでは浅い水深でのダイビングよりも何倍もの空気量を消費します。事前にしっかりと計画を立ててダイビングする必要があります。
そして空気の密度は深くなれば深くなるほど濃くなります。通常、密度の濃い空気を吸う場合は重たく、抵抗が強くなります。ゆっくりと動き呼吸を整えるようにして下さい。
「減圧症のリスク」
ディープダイビングでは減圧症のリスクが高くなります。ダイブコンピューターは必ず着けてダイビングしましょう。水深30Mを超えるとNDL(減圧不要限界)はあっという間に数分になります。余裕を持って深度を浅くするようにして下さい。安全停止も少し長めに行い、浮上スピードに気を付けて下さい。
「窒素酔い(ガス昏睡)」
窒素酔い(ガス昏睡)は、一般的には、水深30M前後で徴候と症状が出てきます。個人差や体調、環境により違いが出てきます。水深が深いほど症状は重くなります。一般的にお酒(アルコール)に軽く酔った症状に共通している事が多いです。
減圧症(潜水病)とは異なり、窒素酔い(ガス昏睡)は発症した場合でも後遺症は残りません。浅い水深に戻ることによって簡単に回復することが可能です。
「中性浮力の変化」
ディープダイビングではウェットスーツも圧縮されて浮力がなくなります。浅い水深と同様にBCDに給気していると全然間に合わない場合があります。水深が深くなれば深くなるほどBCDにはより多くの空気を給気しなければいけません。
そしてダイビングの後半は深度が浅くなるにつれてBCDの排気が必要です。深い水深で給気した空気は浅い水深へ行くと膨張して膨らみます。安全停止する前に浮かんでしまわないようにBCDの空気はどんどん排気しましょう。
又、ディープダイビング・スペシャリティ(SP)を取得することによって、最大水深40mまでダイビングを楽しむことができます。
ディープダイビング・スペシャリティのコースでは安全にディープ・ダイビングが実施できるように、空気の消費量や密度、減圧症、ダイブコンピューターのNDLやDECO表示の確認、浮力の調整、窒素中毒(ガス昏睡)への対処などを学びます。
ディープダイビングに興味がある方は当ショップまで気軽にお問合せ下さい。